スタッフの「推し」を全面にアピールした心躍るディスプレイでグランプリ獲得!
従業員の「生の声」をポップに結実 売上も着実に伸長
今年の4月から6月にかけて実施された「Sweeten the Future カンロフェア」。「LOVEカンロコース」にて見事グランプリを獲得したのは、紅屋商事㈱のカブセンター大野店だ。
「今回、実は自信がありました」と、陳列を担当した同店お菓子チーフの木村舞さんは堂々と語る。というのも、社内で実施されているディスプレイコンテストでは、ここ数年ほぼグランプリを独占しているという。「社内で結果が出ているので、これなら全国で戦えるな、と満を持して挑みました」(木村氏)
均整な美しさと華かさが両立した、心躍らせるディスプレイ。今回のテーマとしたのは「推し」だ。グミをはじめとした種類豊富なカンロ商品を、従業員自らがそれぞれの「推し」として紹介する売場を考案した。従業員が顔出しで商品を紹介するポップでは、商品を「推す」ための言葉を入れたうちわを手に持たせ、「推し活」感を演出。さらに、商品の推しポイントを簡潔にまとめたポップも展開。「カンロさんの商品はたくさんの種類がありますから、お客さまにとってなじみのない味もあるかと思います。こうしたコメントをつけて推すことで、普段手に取らない商品を試すきっかけにしてもらえるのでは、と思いました」(木村氏)
ディスプレイが功を奏し、同店でのグミの売上は前年比117%と大きく伸長したという。「このディスプレイを見て、『すごい売場だね!』と値段を見ずに買っていかれるお客さまも多く見受けられました」と木村氏は語る。
空間そのものを「楽しく」させる商品ディスプレイの巻き込み力
青森市街の幹線道路沿いに所在する、カブセンター大野店。近隣に小学校や高校が立地する住宅街の中ということもあり、連日家族連れや学生といった若年層を中心に多くの人で賑わう。高速道路のインターチェンジもほど近く、観光客や帰省客の利用も多いという。
一方、同店を取り巻く環境は決して楽観視できない。物価高に加え、近年では近隣に大型スーパーが立ち並ぶようになり、競争が激化している。
そのような競争環境の中で木村氏が目指すのは、「普通のスーパーではない」売場づくりだという。「とにかくお客さまが商品をつい手に取ってしまうような、他のスーパーでは経験できないような楽しい売場を作っていきたい」と木村氏は語る。
実際、取材を通して感じたのは、製菓商品と売場づくりに対する木村氏の熱い想いだ。今回のディスプレイも夢中になって制作に臨み、たった1日で完成させたという。エクセルを一から学び、独学で制作を始めたそのディスプレイは、今や同社の本部で開催される売場勉強会での教材や求人サイトの資料として掲載されることも。さまざまなメーカーの社員が同店の売場を見学に来ることもあるという。
その情熱に引き込まれるように、大学生のアルバイトから店長まで、幅広い層の従業員がディスプレイ制作に協力していることにも注目だ。多くの従業員が木村氏の作るディスプレイに関心を持ち、一緒に楽しみながら売場づくりを行っていることが取材を通して垣間見れた。購買者へのアピールはもちろん、従業員までも巻き込み、スーパーの中に温かな雰囲気を作り出す。木村氏のディスプレイにはそのような効能がにじむ。
「コンテストに参加する以上、常に大野店の名前が載るように、これからも売場を作っていきたいと思います」と今後の抱負を語る木村氏。次の売場ではどんな「楽しさ」を見せてくれるのだろうか。大野店と木村氏の挑戦から、今後も目が離せない。




