圧倒的なボリューム陳列でグランプリを獲得 新たな価値提案で若いファミリー層も集客
お客さまが選びやすいよう縦陳列を意識
2026年1月21日から3月20日まで開催された「フジッコ ディスプレイコンテスト2026」の「買い置き常備菜コース」で見事、グランプリを獲得したのは、平和堂の「アル・プラザ草津」(滋賀県草津市)だ。売場づくりを担当した日配品主任の山中寛太氏は、「初めての参加で、最高賞をいただけるとは思っていなかったので大変うれしい」と喜びを語る。
同店は平和堂全店舗の中でトップクラスの売上高を誇る基幹店。山中氏は、日頃から繁盛店にふさわしい、ボリューム感のある陳列を意識しており、今回の受賞はその方針が実った形だ。
ディスプレイを展開したのは、鮮魚部門に隣接し、来店客のメイン動線上に位置する大型冷蔵平台。山中氏は「おかず畑 おばんざい小鉢」シリーズの「ひじき煮」や「切干大根」などの定番品に加え、従来は露出が低かったサラダ類を含む全商品をダイナミックに陳列した。とくに視認性を高めるための「縦陳列(バーティカル陳列)」を意識し、見やすく、手に取りやすい売場をつくった。
「私自身も子育て世代なので、多忙な中で食卓に『あと一品』があることの価値を実感している。手軽で健康的な簡便商品をお客さまへ提案したかった」と山中氏はねらいを教えてくれた。フジッコの営業担当者と密に連携し、ピンク色の鮮やかな販促物や拡大した商品画像を効果的に配置したことも、売場の活気につながった。
取り組みの結果、売場の注目度は高かった。定番コーナーで展開していた時と比較し、5倍以上も売れた商品もあった。山中氏は、「見せ方がよければ大きな成果につながる」と強い手応えを得たようだった。
豊富な品揃えと独自の価値提案で差異化を図る
平和堂は滋賀県に本部を置き、近畿、北陸、東海地方で総合スーパー「アル・プラザ」や食品スーパー「フレンドマート」をはじめ、立地や商圏特性により複数のフォーマットを使い分けながら強い店舗網を構築している流通企業である。
そのうちアル・プラザ草津は、1996年3月に開業した地域最大の店舗。2023年4月には大規模なリニューアルを実施し、食の専門性と利便性をさらに強化した。平和堂の基幹店として、圧倒的な集客力を誇り、連日、多くの来店客でにぎわいを見せている。
ただ、平和堂の商勢圏各地では近年、競争が激化しているのが現状だ。アル・プラザ草津でも、近隣にはイオンモールなどの大型商業施設に加え、バローやカネスエといった価格訴求型のスーパー、さらにはドラッグストアの存在感が増している。
特に日配品は、価格比較の対象になりやすく、コモディティ化が進みやすい部門。これに対して山中氏は、「平和堂は単なる低価格で集客を図る企業ではない。豊富な品揃えと独自の価値提案が強みで、当店でもそうした手法で競合との差異化を図りたい」と意気込みを口にする。
そのなかで、ディスプレイコンテストへ参加する意義については、価格以外の価値を提供することができるのが大きな動機になっているようだ。
「おいしく、品質のよい商品でも、まず食べてもらう必要がある。そのため、こうした楽しく、驚きのある売場により、まずは商品に手を伸ばしてもらいたい」と山中氏は語る。
今後も、山中氏は機会があればコンテストへ参加する意向を持つ。売場づくりを工夫しながら、地域で期待される一番店として、豊かな食生活の提案を続ける考えだ。




