オリジナルP O P などを駆使して高さと立体感のある売場を展開
来店客にも好評販売実績は大きく伸長
アメリカ産ポテトのマーケティング団体である米国ポテト協会が主催した今回のコンテストは、冷凍ポテトをスポーツ観戦と絡めて訴求する売場づくりがテーマ。この企画で、店舗コース・グランプリに輝いたのがウェスタン北彩都だ。同店は道北アークスが展開する大型店のひとつで、さまざまなディスプレイコンテストで受賞実績を持つ。
同店日配担当の笹尾隼人氏も、コンテストに参加する陳列を手がけてきたが、同協会が主催するコンテストへの参加は初めて。今回の受賞について笹尾氏は、「大変光栄なことで、自分なりに工夫した陳列が評価していただいたことは大変うれしいです」という。
冷凍食品を訴求する場合、冷凍什器を使用することから、商品そのものを高く積み上げるとこができず、立体感を出すことが難しいと笹尾氏は語る。
「今回はPOPやボードなどの販促物を高い位置に掲げることで、コーナー全体に遠くからでも見えるような高さと立体感を出しています。またスポーツ観戦というテーマについても、アメリカンイメージのスポーツは多いですが、やはり日本でも注目度が高いメジャーリーグの野球を打ち出し、フライドポテトを片手に家族で野球を見るという食シーンを提案することにしました」(笹尾氏)
その結果、大陳期間中の販売実績は前年と比較して113%への伸長。立ち止まり、手に取って見る来店客も多く、反応の大きさを実感したという。
メインテーマは「ポテト片手に家族でメジャーリーグ観戦!!」
今回の陳列のアイキャッチとしたのは、自作のPOPだった。星条旗とメジャーリーグの球場の写真をフリー素材から探し、長尺のプリンターで印刷した自作のエクセルデータをプリントアウトして制作した。
またその下には、フライドポテトを前にした家族が、野球観戦を楽しむだんらん風景をイラストで表現したPOPを配置。こうしたオリジナルツールについては、笹尾氏自身が自分で構成を考え、制作を行っている。
「準備さえできていれば、陳列そのものにあまり時間はかからないのですが、POPの制作は空いた時間に少しずつ進めるので、それなりに時間がかかっています。ただ、こうした作業は私自身も楽しんで取り組んでいる部分があるので、まったく大変だとは思っていません」(笹尾氏)
商品としてはCGCのPB商品のほか、NBの売れ筋商品を配置。冷凍ポテトに特化した売場をつくったが、同じ食シーンに合う商品として、冷凍ピザも差し込んでいる。
笹尾氏は「冷凍食品に限りませんが、最近は食品の値上げトレンドが続いており、お客さまの購買行動にも影響を与えていると思います。価格だけをフックにして訴求しようとしても限界があるので、こうしたテーマを持った訴求手法はますます重要になっていくと思います。今回はそうした意味でいい機会をいただきましたが、今後も同様のチャンスがあればチャレンジしていきたいと考えています」と、意欲を語っている。