昭和100年をテーマに売場展開懐かしさと新しさで注目度アップ
幅広い世代に訴求する陳列
今夏に実施されたKINCHO殺虫剤の「第39回 KINCHO V.I.P.陳列コンテスト」において、Aコースの大賞を受賞したのは京王ストア(東京都多摩市/川田裕史代表取締役社長)の高幡店である。同社の家庭用品課課長の松田則氏は「私は、家庭用品の取り扱いが初めてだったので今回の受賞は喜びが大きいです」と話す。家庭用品課バイヤーの須田圭一氏は「10年前から売場づくりに携わってきました。連覇はできませんでしたが、3年で2回の大賞を受賞できたのは、スタッフの協力のおかげです。そのこともあり、とてもうれしいです」と語ってくれた。
今回は、昭和100年をテーマに展開する売場づくりを実施。さらに、万博が行われていることもあり、昭和の万博を意識して太陽の塔風キンチョールを作成し、ミャクミャクおよび京王ストアカラーの赤・青で、床面を装飾した。
商品も長く愛用されている定番商品と新商品をバランスよく配置。須田バイヤーは「ディスプレイとともに、陳列商品でも昭和生まれの方には懐かしく、若いお客さまには新鮮に映るような商品構成を行いました」と言う。
その中で、幅広い世代において、新商品「シンカトリ」の売上が非常に好調で、前年比で500%を超える週もあるなど、反響の大きな売場となり、売上が大きく伸長する結果となった。
クロスMDの強化を推進
京王ストアは、地域密着型のスーパーマーケットチェーンとして、東京を中心に神奈川を含め、27店舗を展開している。
高幡店は、京王線・多摩モノレール「高幡不動」駅南口に直結。学校が多い地域でもあり、学生など若年層の来店客が多いことから、幅広い層に利用されている。
そのため、取扱商品や陳列方法などには工夫が必要になるという。その点でも、KINCHOの商品は、価値のある商品になっている。松田課長は「昭和世代は『金鳥の夏、日本の夏』というCMのメッセージが耳に残っていて、愛用者が多い商品です。さらに、ロングセラー商品とともに、時代に合った新商品を積極的に出しているので、若い世代にもアピールしやすいため、販促的に利用しやすい」と語る。
その1つが「シンカトリ」であった。斬新でインパクトのある商品として、訴求力は抜群で昭和世代から若い世代まで、注目の商品となった。「定番商品と新商品の両方を陳列することで、視覚効果と訴求力を売場に生み出せる商品群は、販売店にとっても、戦力になります」と須田バイヤー。
現在、物価高が続く中での消費者動向に対する工夫が必要になっていることから、対策も検討しているという。「空間用虫よけと衣料洗剤をクロス展開し、1品追加購入を促す関連商品のクロスMDを推進しています」と松田課長。
売場づくりにおいても、音や光、香りなど、五感に訴える売場づくりを検討している。創意工夫とともに、スタッフみんなで協力して、次回もグランプリを取れる売場をつくりあげたいと抱負を語ってくれた。