洋日配の売場に和日配をコラボ展開幅広い年齢層への訴求効果を生む
すぐれた陳列を表彰する社内制度がスタッフに意欲を
フジッコが実施した「Everyday Beans! ディスプレイコンテスト2025」。毎日「豆」を取り入れた、健康的で楽しい食生活を提案していこうというテーマで、昨年に引き続き実施された。今回、ボリュームコースでグランプリを獲得したのは㈱ナイス 仁井田南店。
同店店長の奥山浩樹氏によると、「2年ほど前から会社として、陳列や販促に力を入れる方針を明確にし、各店舗がスキル向上に取り組んできました。ディスプレイコンテストにもその経験が生かされているのではないでしょうか」という。
具体的には、本部バイヤーが月間で売り込む商品を設定し、対象商品の販促を各店が工夫する。毎月その結果を金額PI値やロス率・売場づくりなどで評価し、社内コンテスト的に上位の店舗を表彰するという仕組みだ。
奥山氏は「各店に手書きPOPが上手なスタッフが育つなど、メリットは大きく、売り方次第で業績が向上するという実感を得ることが重要で、評価の高い他店の陳列画像はいつでも見ることができるので、勉強にもなり、モチベーションにもなっています」と語る。
今回のディスプレイコンテストでも仁井田南店では、春の新生活シーズンを迎えて“朝食をしっかり食べよう”という提案を共通のテーマとして設定。フジッコの煮豆やヨーグルトなどを訴求することとし、和日配の定番売場とは別に洋日配の催事スペースで展開した。
また奥山氏は、フジッコの商品ラインを踏まえて、本来は洋日配の売場に和日配を併せて陳列したことが、幅広い顧客層にアピールすることにつながる相乗効果もあったと見ている。
オリジナルPOPを制作し 手軽さ訴求や食べ方提案を発信
今回の陳列はまずボリューム感を意識したうえで、多段什器の中央下段に「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」を配置。左右で「朝のたべるスープ」を展開。しっかりとフェイスを出し、手に取りやすい陳列を行った。
またオリジナルPOPを制作し、朝食メニューとしての手軽さを訴求。さらにグラノーラと組み合わせるなど、食べ方提案も行った。こうした努力の結果、これらの商品は追加発注が必要になるほど動きがよかったという。
仁井田南店は同社店舗の中では売場面積が大きく、週末は10㎞圏程度の広域から来店客を集める。そのため顧客の年齢層も幅広く、午前中は比較的高齢の客層、夕方以降は近隣の子育てファミリー層などが多くなる傾向があるという。
そうした中で、煮豆などの豆製品については、もともと高年齢層を中心に需要があったが、今回の陳列で露出を増やしたことで、夕方以降の若年層についても購買傾向が高まったという。ディスプレイコンテストにおいても、定番売場とは異なる動きを生んだことになる。
奥山氏は、「フジッコさんのコンテストには昨年も参加し、特別賞をいただきました。しかし、これまでコンテストに参加してきた経験を踏まえても、グランプリとなると簡単に取れるものではない、と思っていますので、今回の結果には大変驚いています。フジッコの長谷部さんにはよい提案をいただき、陳列にも関わっていただいたので大変感謝しています。日頃から会社として店頭販促への意識を高めるように取り組んでいるところですので、今後もこうした機会を生かしてチャレンジしていきたいと思います」と語ってくれた。