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売場づくり虎の巻

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イラストはセンスじゃない!誰でも書ける簡単イラスト

パターンの組み合わせによって 色々なものが描けるようにはなるのですが、今回は「人の顔」について解説を進めていこうと思います。

POPにおけるイラストの役割

売場づくりを行う際、POPや装飾で盛り上げるのは王道の手法ですね。これらの手法の目的は、お客様の目を止め、足を止め、手に取ってもらうための仕掛けづくり。しかし、文字だけで構成されたPOPでは、お客様にインパクトを与えて『目に止める』のに力不足であることは否めません。利用シーンや季節モノなど、多様なイラストで瞬間的にお客様に訴えることができれば、間違いなくPOPの効果は上がってきます。

絵が下手でも、イラストは描ける!

「それはわかるけど、自分は絵が下手だからイラストなんて描けないし…」そう思って諦めてしまっている方は多いことと思います。そんな苦手意識から、イラストなしのPOPで良しとするどころか、POPを書くこと自体にさえ臆病になってしまうことも。そんな諦めムードに、ちょっと待った! そもそも店頭では“何を訴えているのか”が伝われば、それで十分。POPのイラストに写実的な正確性は誰も求めていません。むしろ上手過ぎないイラストの方が「味のあるイラスト」となることも。絵が上手いこととイラストが描けることとは、全く別の話なのです。 “何を書いたのかが伝わるイラスト”を書くために必要なことは、パターン。ある程度のパターンさえ覚えてしまえば、誰でも簡単にこの程度のイラストは描けるようになるんです。 パターンの組み合わせによって 色々なものが描けるようにはなるのですが、今回は「人の顔」について解説を進めていこうと思います。

人の顔は『輪郭』と『髪型』と『表情』の組み合わせ

人物イラストは、キャラクターの書き分けが難しくハードルが高そうに見えます。 しかし、基本として『輪郭』『髪型』『表情』の3つのパターンを覚え、そこからバリエーションを広げていくことで、色々なキャラクターを描き分けていくことができます。
では早速、『輪郭』から描いてみましょう。
まずは、○を書いてみましょう。正円を意識しつつも、多少崩れても全く構いません。 右回りでも左回りでも、書きやすい方向で描きましょう。 はい、これで『輪郭』は完成です。…あまりにアッサリと完成で拍子抜けでしょうか。 実は『輪郭』にも正円以外のバリエーションがあるのですが、それは後程。 まずは 真ん丸の輪郭で進めていきましょう。

次に、先ほど書いた『輪郭』に『髪型』を描きこんでいきます。 髪の位置は真ん中よりもちょっと上、がバランス良いでしょう。

『髪型』のバリエーションはたくさんあります。いくつも描いてみることで、自分の中のパターンを増やすことができますよ。 『輪郭』に『髪型』の線を引いただけですが、これだけでもう年齢・性別などキャラクターの方向性が見えてきましたね。 上記の髪型パターンですと、男性のイメージが強いと思います。 しかしこれらの髪型にちょっとしたものを加えるだけで、女性の髪形に変えることが可能です。

女性の場合は、○の外側にも髪を置いていきます。 一番簡単なパターンの場合、なんと基本の髪形に○を1つ付けただけで お団子ヘアの女性になります。

七三分けの男性が、お団子ヘアの女性に早変わり! では、他の髪型も描いてみましょう。

男性の髪型に、ちょっとしたものを加えるだけで、女性を表現することができました。

こうして描いた『輪郭』と『髪型』に、『表情』として目と口を書き入れるだけで 売場にて“十分に伝わる“POPイラストが出来上がります。

まずは、目を描いていきましょう。はじめは単純な黒丸で構いません。

髪型を描く際、輪郭のちょっと上に配置しましたが、目はちょうど真ん中くらいが基本位置です。 慣れてきたら、漫画やお子様向けの絵本などの表現を参考に、色々なバリエーションの目を描いてみましょう。 目を入れるだけで、キャラクターの心情が見えてきますね。

最後に、口を書き入れましょう。 口の位置は、輪郭の上から3/4くらい。 目と同じようにバリエーションも描いてみましょう。 ○や▽、~などのラインなど、単純な形だけで十分に口として成立します。 ちなみに、『輪郭』の解説の際に後回しにしたバリエーションについて。 試しに、縦や横に伸ばした楕円を描いてみましょう。 これに『髪型』や『表情』を入れると…おや、なんだか違う雰囲気の人物ができあがりました。 四角い輪郭にすると骨格がしっかりしている大人の男性に、縦長の楕円は大人の男女や老人、横長の楕円は幼い子供、と描き分けることができます。『髪型』や『表情』と組み合わせてキャラクターを表現しましょう。

まとめ

これで、「人の顔」イラストは完成です。 いかがでしたでしょうか。

悲しい顔、嬉しい顔、美味しい顔、酸っぱい顔、ねむたい顔…。 人間の表情はいろいろありますが、どれもすべて『輪郭』『髪型』『表情』の3つのパターンの組み合わせだけで構成できてしまうのです。 これらの3つのパターン、そしていくつかのバリエーションを覚えてしまえば、“ケガして泣いている少年”も、“家事が時短できて喜ぶママ”も“持病に悩むおじいちゃん”も、もう描き分けることができるはず。

上手なイラストでなくても、売場では十分に伝わります。 これらのパターンを覚え、まずは描くことのハードルを下げて、チャレンジしてみてください。

著者からのメッセージ
DRMオンラインをご覧のみなさま、こんにちは。 このたび、売場づくりについてコラムを書かせていただくことになりました、売場スタッフ応援サイト「てんとうむしweb」(http://www.10-10-64.com/)編集部 松江です。 てんとうむしwebでは、ドラッグストアでの売場づくりを中心に、POPの切り口・イラストや文字の書き方・汎用POPの無料ダウンロードなどをコンテンツとして公開しておりますが、今回はその中から 抑えておきたい陳列の基本法則をご紹介いたします。 「ドラッグストアてんとうむし」では、POPやイラストの書き方などについても発信しておりますので、機会がありましたらご覧ください。

みなさまのお店の売場づくりに、ぜひご活用ください。

文=松江謙公 てんとうむしweb 編集長