ストックメニューを家庭へ!おいしさを打ち出すアプローチ
オリジナルへのこだわり
今年の8月から9月にかけて、防災の日をテーマに実施されたプリマハムの「Stock DishⓇ 防災の日+ ディスプレイコンテスト」において、グランプリを受賞したのは㈱ナリタヤ(千葉県印旛郡、菊川一平代表取締役社長)の下総滑川店である。精肉部マネージャーの堀田直哉氏は「グランプリをねらってはいましたが、本当に受賞できるとは思っていなかったので驚きました」と喜びを笑顔で語ってくれた。
店舗入口の最も目立つ催事スペースで展開された売場は、オリジナリティーへのこだわりでつくられている。
オリジナルのトップボードでは、防災に備える「ローリングストック」の訴求とともに、「常温保存がOK」や「いろいろ選べるごちそうメニュー」とおいしさもアピール。家庭でストックできるごちそうとして、来店客に購買を促進する効果を発揮している。
商品陳列も中央に売れ筋アイテムである「やわらかお肉のビーフシチュー」や「バターチキンカレー」などを並べ、左に本格タイカレー、右に韓国メニューを並べることで“選べるごちそう”を展開し、興味喚起を図っている。タイカレーと韓国メニューのオリジナルボードも注目を集め、視認率を高めている。
防災に備えるストックメニューをごちそうとしてアピールする展開は、来店客に認知されたことから、売上は通常時の約2倍になったという。
発想の原点は他にないもの

㈱ナリタヤ 精肉・デリカリーダー 兼 精肉・卵バイヤーの工藤隆之氏(右から2番目)、精肉アシスタントバイヤーの孫頴氏(右)、下総滑川店 精肉部マネージャーの堀田直哉氏(左から2番目)とプリマハム㈱ 営業本部 東日本支社 関東支店千葉営業所の早尾航平氏(左)
食堂から始まった㈱ナリタヤ。その流れを受け継いで、おいしいものを消費者へ提供するスーパーマーケット(SM)として、現在は千葉県内に13店舗を展開。下総滑川店は、約5キロメートル圏内にSMなどがないため、地域の消費者の食卓を支える存在になっている。
週末には、まとめ買いをする顧客が多く来店する同店。日々の食材をはじめ、肉や野菜などバーベキュー用の購入が多いことも特徴である。
売場づくりにおいては、立体的でダイナミックに見えるようなボリューム感を打ち出すことで、インパクトがある見せ方を工夫しているという。
POPもオリジナリティーを重視。キャッチコピーのような短いフレーズを採用し、デザインとともに、ひと目でわかることにこだわっている。
精肉アシスタントバイヤーの孫頴氏は「やる気のある店舗担当者には、その自発性を尊重。自分で考え、工夫した売場のほうが、お客さまに伝わるからです。店舗の挑戦を後押しするのが私の役目」と語る。
コンテストにおいて、対象商品もテーマも同じ場合は、新しいアイデアを出すのは難しいが、とにかく“他にないもの”にこだわり続けている。
精肉・デリカリーダー 兼 精肉・卵バイヤーの工藤隆之氏は「プリマハムさんは、多くの売場づくりを一緒に行ってきた信頼できるパートナー。その支援があるので、思い切った売場づくりに挑戦できると考えます」と話す。プリマハムの協力もあることから、同店独自の売場で再度のグランプリ受賞へ挑戦したいとのことである。



