食シーンやアレンジメニューを訴求した独自のPOPでアプローチ

オリジナルへのこだわり

ちびホク厚別5条店

昨年の10月から11月にかけて実施された日本ハム冷凍食品㈱の「“おうちでレストラン気分”お肉のおかず ディスプレイコンテスト」において、アイデアコースのグランプリを受賞したのは㈱ホクノー（北海道札幌市、野地秀一代表取締役社長）のちびホク厚別5条店である。店長の泉伸一氏は「昨年に続いてアイデアコースのグランプリを受賞できました。2年連続で高い評価をいただき、光栄です。ありがとうございました」と語ってくれた。

同店は、POPや演出において、オリジナリティーにこだわっている。今回も、商品特徴である「2層包み製法で内側に肉汁を閉じ込めました」というメッセージを大型のぼりでアピール。さらに、それぞれのシズル写真を使用して、付け合わせを添えたお店のプレート風やハンバーガー、お弁当、在宅ワーク時のワンプレートランチなど食シーンやアレンジメニューを提案している。さらに、腰巻でも「お好みのソースをかけたり、アレンジを加えておいしく召し上がれます」とプラスアルファのおいしい楽しみ方も紹介。より多くの来店客の購買意欲を刺激するようなアプローチが行われている。

「商品特徴だけでは訴求力は弱いと思っています。それを補い、当店の顧客の特性に合わせた訴求をするためにオリジナルにこだわっています」（泉店長）。その効果もあり、今回の売場は、来店客の注目を多く集めたことから、今後のさらなる売上アップが期待できるという。

コンテストで冷食を活性化

売場づくりを行った店長の泉伸一氏

㈱ホクノーは、札幌市内にスーパーマーケット5店舗を展開している。ちびホク厚別5条店は、札幌市営地下鉄の新さっぽろ駅およびJR千歳線の新札幌駅からほど近い小型店舗である。客層は、学生や単身者などの一人世帯からファミリー層と幅広い。

「そのような客層から、情報の収集を積極的に行っています。新商品や話題の商品を提案することで、リアル店の強みが発揮できます。また、あの店ならと思ってもらえることで、来店動機になります」と泉店長。

そのため、テレビなどの食品ランキングを積極的にチェックしているという。紹介された商品だけでなく、評価する料理人や評論家のコメントにキラーワードが隠れていることがあり、それをPOPのキャッチフレーズなどに採用することもあるということだ。また、担当営業者との積極的なコミュニケーションの中で、同様にキラーワードを見出すこともあるので、重要な機会である。

近年は、冷凍食品の売上が伸びているが、その中心は、餃子などの中華やパスタなどである。ハンバーグや洋風惣菜などは、「おいしいという声を聞くので、味に関する評判は高い」と泉店長。リーチインや平台の定番売場では、POPも設置しづらく、目立ちにくい。

ディスプレイコンテストの機会を利用すれば、訴求しやすく、来店客の反応も高くなる。「その後は、定番売場で売上を確保しやすくなります」と話す泉店長。次回もオリジナリティーを発揮して、ディスプレイコンテストに挑戦し、上位入賞をめざしたいと語ってくれた。

大型のぼりやトップボードをオリジナルで作成し、冷凍平台ケースへの立ち寄り率をアップした売場