大きな山を思わせるインパクトでコンテスト二連覇を達成！

裾野の広いその売場にはたくさんの「発見」が潜む

駅前の複合商業施設「マグレブビル」内に立地するファーマーズマーケット千歳屋

日本を代表する大規模新興住宅地・多摩ニュータウン。その玄関口である「多摩センター」駅前すぐに店舗を構えるファーマーズマーケット千歳屋が、明星食品の2021年秋のディスプレイコンテストに続き、二連覇を成し遂げた。今回のディスプレイは、新商品である「麺神」を中心に、「チャルメラ」、「一平ちゃん」といった定番品まで幅広く陳列したものになっている。

その壮大なディスプレイは、大きな山を思わせるものだ。まず第一に、売り込みたい新商品を来店客の目のつく中央に陳列する。そして、裾野のように他の商品を広げていくことで、メーカー全体を通して商品を知ってもらえるように売場が作られている。

売場づくりを担当した同店マネージャーの片沼豊氏は、このコロナ禍において、新商品を知ってもらうには、さまざまな問題があると語る。

「試食販売ができない、というのが大きいですね。どんなにおいしくても食べてもらわないと、その商品の味がわからないでしょう」（片沼氏）

そのような状況下では、店頭での見た目のインパクトがますます商品認知において重要であるという。売場を、ただ商品を置くスペースではなく、広告宣伝のような一つのメディアとして考えている同店の姿勢をそこに感じる。

また、売場に奥行きを持たせたこともディスプレイの特徴だ。ボリューム感ある陳列の手前に小さな陳列台を作ることによって、来店客が売場に入り込み、今まで知らなかった商品を「発見」できるようなスペース作りを目指したという。

「新商品や定番の他に、普段目につきにくい、変わり種な商品も認知してもらえる絶好の機会だと考えています。実際、このようなディスプレイをすることで、『このメーカーの商品にはこういうものもあったのね』という声を多くいただいております」（片沼氏）

さまざまな商品の認知が高まると、コンテスト終了後に定番棚に戻ってもリピートで買ってもらう機会が増え、食卓への定着につながる。コンテストが終わった後のことまで考えられたディスプレイが今回の受賞につながった。

幅広い年齢層で賑わう新しい地域密着型スーパーの形

㈱ユニカ マグレブ事業部 ファーマーズマーケット千歳屋 マネージャー 片沼豊氏（写真右）、明星食品㈱ 東京営業部 横浜営業所 副主事 兼子理広氏（写真左）

同店は、多摩地区において広い売場面積を誇るスーパー。まず目を引くのが、2階と3階をつなぐ大きなスロープだ。カートを押しながら、家族連れで快適に買い物ができる当店は、年齢層問わずたくさんの来店客でいつも賑わっている。

「弊社はチェーン展開をしておらず、当店舗しかありません。店舗改装時にはスロープをはじめとして、比較的自由に空間を作らせていただきました」（片沼氏）

他にさまざまなスーパーがある中、どういった特色を出せるのかをモットーとする同店を象徴するエピソードだ。

ここに来れば他の店舗に行かずとも、ワンストップでなんでも安く揃う。そんな地域密着型のスーパーとして元々支持されていた同店。にもかかわらず、ディスプレイコンテストによる「攻め」の販促を展開できる柔軟さを兼ね備えているのが、同店があらゆる客層から支持される理由だろう。「三連覇を目指して、これからも試行錯誤しながらやっていければな、と思っております」と、片沼氏は新たな決意を語った。

「麺神」を中心に、「チャルメラ」、「一平ちゃん」といった定番品まで幅広く陳列。売場上のオリジナルボードでは、「麺神」の商品特徴を強く訴求した