わかりやすく目につきやすい演出で売上実績の大幅な伸長を達成

かき氷ののれんなどで夏祭りの雰囲気を再現

スーパー・スーパーマーケットサンエー

今回のコンクールは、「おかし祭り」がテーマ。ディスプレイコースのスーパーグランプリを獲得したのは、スーパーを超えるスーパーマーケットとして地域いちばん店をめざすスーパー・スーパーマーケットサンエーだ。広い売場面積を生かした催事を随所で展開し、地域住民に親しまれている大型店だ。

また地域の特産物である「江刺金札米」や「江刺牛」、それを使用した総菜類、地場メーカーの商品などを幅広く取り揃え、地域の需要にマッチした品揃えを行うことで、競合店との差別化を図っている。

同店副店長の佐藤敬大氏は、「もともと単品量販を基本として、アイテムを絞り込んで大陳展開する商品政策をとってきた店ですが、近年はより多様な商品をバラエティー豊かに大陳展開する、提案型の売場づくりを行っています。明治さんのコンクールについても、売場活性化のよい機会ととらえ、毎回積極的に参加しています」と言う。

これまでもさまざまなメーカー主催のコンテストに参加しており、多くの受賞実績を持つ。

今回の明治のコンクールは「おかし祭り」というテーマに合わせ、夏祭りの雰囲気を表現する売場演出をめざした。夏祭りにつきものの、かき氷ののれんをあしらったほか、かき氷のイメージと合わせてイチゴの菓子類を近くで展開するなど、さまざまなアイデアで雰囲気を演出。数多くの商品を、高さと立体感のある配置で積み上げることで、賑やかさと楽しさにあふれた売場をつくりあげた。

チェッカー担当などスタッフが協力して取り組む

スーパー・スーパーマーケットサンエー 菓子担当 及川幸子氏（中央） 株式会社明治北日本支社 営業企画部 SPスタッフ菅原志保氏（左） 同社北日本支社 量販二部 池田拓朗氏（右）

同店では大陳にあたって、見せるだけでなく、実際に商品を購入する来店客の立場に立った、あくまでも売場としての機能を十分に果たすことができる陳列を志向している。

「コンテストとはいっても、賞を意識するのではなく、お客さまに楽しんでいただき、購入しやすい売場をつくることを第一に考えています」（佐藤副店長）。

同時に同店の大陳ではボリューム感を何よりも重視している。催事スペースが広いので、常にいくつかの催事展開を行っている。佐藤副店長は、「高さや迫力があり、見る人が圧倒されるような、インパクトのある売場をめざしています。とくに最近はコロナの影響で外出を控える傾向が続いていたので、来店されたときには少しでも非日常感が味わえるような、楽しい売場をいつも以上に意識しています」と言う。

岩手県下では、コロナ陽性者が当初0人で推移していたため、逆に最初の感染者を出したくないという緊張感が強く、重苦しいような雰囲気もあったという。そうした雰囲気の中で同店の売場演出は、少しでも気持ちが晴れるような救いになってきたのかもしれない。

「いつも明治さんのコンクールでは、担当の菅原さんの力を借りています。今回もいろいろアイデアを出していただいたり、必要な販促物を用意していただくなど、大変協力していただきました。参加回数を重ねるなかで、お互いの考えについての理解も深まったと思います。今回の陳列は高さや迫力があるだけでなく、多くの商品を並べつつもまとまりがあったので、けっこういい線まで行くのではないかという手応えを感じていました」（佐藤副店長）。

今後も同店では、地域になくてはならない地元スーパーとして、地域ニーズへの対応を強化していくことはもちろん、売場から楽しさや活気を発信していきたいという。

夏祭りの雰囲気を陳列で表現。かき氷ののれんや提灯などをあしらい、祭りらしい雰囲気を盛り上げている。さまざまな商品をカラフルに陳列することで、賑やかで楽しい売場演出に成功している